妊娠や出産に影響がある?
治療を受けていれば不妊の原因にはならない
バセドウ病や橋本病などのような甲状腺の病気にかかると、月経異常などが現れることがあり、妊娠に影響を与えることがあります。しかし、適切な治療を受けて甲状腺ホルモンの濃度が正常に高まっていれば不妊の原因になることはありません。甲状腺ホルモンの濃度が正常であるのに、妊娠しにくい場合は、ほかの原因を考える必要があるでしょう。
なお、出産については、医師の指示で適切な量の薬を服用し、ホルモン状態が安定していれば、健康な人変わりなく出産できます。胎児への影響などもとくになく、奇形児を生む割合も一般の妊婦と変わらないようです。
出産後の授乳も、きちんと薬を選べば可能です。母乳をあきらめる必要はありません。ぜひ専門医と相談するようにしてください。
問題がないといっても、やはり前提は「適切な治療を受けてれば」ということなので、妊娠・出産を計画している方は、薬のことなどがあるので医師に必ず相談するようにしてください。
バセドウ病と妊娠
バセドウ病は若い女性に多いので、妊娠や出産の問題は気になるところです。バセドウ病だからといって、不妊になるとか、薬を服用できなくなるということはありません。治療をしながら妊娠や出産にのぞむことができます。
妊娠にあたって薬の服用を避けたい人は、アイソトープ療法か手術をしてから妊娠する方法があります。アイソトープ療法を選択する場合は、治療後4ヶ月~1年ほどは妊娠を避ける必要があるといわれています。妊娠希望の場合で、手術やアイソトープ治療を望まれる方は、治療後一定期間妊娠まで様子をみる必要があるので、早めに医師に申し出るようにしましょう。
抗甲状腺薬が胎児に影響を与える可能性があるのではないかといわれていますが、妊娠や出産、授乳への影響はごくごくわずかと考えられています。しかし、念のため妊娠中は薬を少量にします。バセドウ病の場合は妊娠すると一時的症状が悪化する人もいますが、ほとんどの人は4~5ヶ月ほどで軽快するので薬の量を減らすことが可能です。妊娠後期にはなおったように見えることもあります。このようなときは、抗甲状腺薬を中止することも考えます。
出産後は悪化することが多いので、よく医師に経過をみてもらうようにしましょう。なお、以前はバセドウ病の人は人工妊娠中絶をしたほうがいよいといわれていましたが、間違いです。かえって悪化することもあるので誤解したまま中絶することはないようにしてください。
橋本病と妊娠
橋本病、甲状腺機能低下症になると、適切な治療を受けていなければ、妊娠しづらく、不妊を示す人もいます。流産をしやすくなるともいわれています。ただ、甲状腺ホルモン剤で甲状腺機能を正常に戻すことができれば妊娠はおおいに可能です。甲状腺ホルモン剤は、胎児への影響はないといわれています。妊娠中は薬を飲み続けることが可能ですというよりも、飲みつづける必要があります。甲状腺ホルモンを中止すると流産の傾向を強めますので、基本的には飲まなくてはいけません。
また、出産して1~3か月たって、突然動悸や息切れ、多汗、疲労、頻脈といった全身症状が現れ、甲状腺が少し腫れることがあります。これを産後一過性甲状腺中毒症といいます。甲状腺の腫れに痛みがないので、無痛性甲状腺炎とも呼ばれています。出産後はこの病気になりやすいので注意が必要です。
特別な治療をせずとも、2週間~3か月程度で甲状腺機能は回復し、症状は消失していきます。動悸が強いときなどは、心臓病の薬が使われることがあります。




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